今回はカスタマイズ記事ではなく、トヨタディーラーとレクサスディーラーの運営会社についての内容です。
販売チャネル/販売車種の統合
ご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、昨年トヨタ自動車はこれまでトヨタ車を扱っていた4つあった販売チャネルを順次統合し、取扱車種についても全チャネルで扱うことを発表していました。
4つのチャネルとは、トヨタ店、トヨペット店、カローラ店、ネッツ店の4つです。
これまでトヨタは客層に応じて専売車種を用意し、チャネルを分けていました。トヨタ店はセンチュリーやクラウン、ランドクルーザーなどの高級車、トヨペット店はアルファードやハリアー、マークXなどの中級車、カローラ店はカローラを中心にファミリー層向け、ネッツ店はヴィッツなどを中心に若年層向けといった形です。
今後は、2020年代半ばをめどにこうした4つの系列を統合し、専売車種をやめて全店併売にしていくとのことです。
それに伴い、これまで約60種ある国内向けの車種を30種程度に絞るとのことで、間違いなくアルファード/ヴェルファイア、ノア/ヴォクシー/エスクアイア、ポルテ/スペード、プロボックス/サクシードといった兄弟車は統合されると思われます。
販売チャネル/車種統合の背景
こうした販売チャネル/統合の背景にあるのは、国内の自動車市場の縮小です。
国内の新車販売台数(登録車・軽自動車計)はピークだった1990年と比較して、2018年は約3分の2の527万台にまで落ち込んでいます。今後はさらに少子高齢化が進むため、国内自動車マーケットはますます縮小していくでしょう(車好きの自分にとっては残念なことですが、社会環境は如何ともしがたい…)。
このような厳しい市場環境が想定されるなかで、ついにトヨタも国内の販売体制・販売車種を改革する必要に迫られたというわけです。
トヨタディーラーの運営会社と統合への課題
そうは言っても、チャネルの統合は簡単には行えません。
最大の問題は、全国にあるトヨタディーラーの販売会社は9割が地場資本で、トヨタとは(資本的には)無関係な企業が運営しているということです。例えば、同県内にある「●●トヨタ」と「●●トヨペット」は別会社が運営しており、同じトヨタディーラーと言っても、これまではライバル会社の関係でした(そのため、併売車種であるプリウスを運営会社が違うトヨタ店とトヨペット店で同士競合させることができた)。
この点については、神奈川のウエインズグループ(横浜トヨペット、トヨタカローラ神奈川、ネッツトヨタ神奈川を運営)や千葉の勝俣グループ(千葉トヨペット、トヨタカローラ千葉、ネッツトヨタ東都を運営)のようなグループ内で複数チャネルを運営するような地場資本ディーラーは、チャネルを統合してグループ再編する方向に進むのではないかと思います。
一方、企業統合が難しい場合は、地場資本同士で競合させ、販売力や資本力の弱い企業は、有力企業に吸収・合併、事業譲渡されていくものと予想します。結果として、2020年代はトヨタディーラー運営企業の集中と淘汰が進んでいく可能性があります。
また、全車種併売となると全ての車種の試乗車が用意できるのか、といった問題もあります。ディーラーの敷地内は限られていますから、試乗車の数も自然と限られてしまいます。この点は、車種統合が進めばある程度解決していくでしょうが、さすがに1店舗で常時全30車種の用意は難しいと思われますので、近隣のディーラー同士で用意する試乗車を分けるといったことも行われるかもしれません。
ユーザー側から見た販社統合
トヨタ側から見た販社統合はお分かりいただけたと思いますが、ユーザーにとってはどのような影響があるのか考えたいと思います。
ユーザーのメリットとして、第一は1店舗でトヨタの全車種を比較・購入できるという点です。例えば、ハリアーとランドクルーザープラドを検討していた場合、ハリアーを専売しているトヨペット店、プラドを専売しているトヨタ店の2店舗に行く必要がありました。同じトヨタ車を買うのに複数店舗をめぐる必要があるのは面倒でしたが、全チャネルで全車種を扱えるようになれば1店舗で両方の車種の見積・試乗比較といったことができるようになります。
第二のメリットは、販社統合によりこれまでにないサービスが提供される可能性があるということです。販社統合により経営・店舗運営がが効率化することにより、効率化した経営資源を新たなサービスに振り向けることができるようになります。具体的には、カーシェアやライドシェア、サブスクリプションプログラム、地域の交通網運営といったMaaS(Mobility as a Servise)としての新たなサービスです。
トヨタ自動車の豊田章男社長は「CES 2018」のプレスカンファレンスの際、「モビリティ・カンパニーへと変革することを決意しました」と高らかに、トヨタ自らをモビリティサービス会社に変革すると宣言しています。
実際トヨタは、2019年4月に全国に先駆けて販売チャネル改革を行った東京エアリアにおいて、一足早く月額定額サービス「KINTO」、カーシェアサービス「TOYOTA SHARE」の先行実験開などさまざまなモビリティサービスを立ち上げています。
次にデメリットですが、これまでのような同士競合での値引き商談が難しくなる可能性があります。これまでは、トヨタ店とトヨペット店でプリウスを競合させるといったことが可能でした。これはトヨタ店とトヨタ店で運営会社が違うためにできたことです。しかし、販売会社が統合されれば顧客データベースも統合されて、商談記録が共有されればこうした同士競合は難しくなります。もちろん、地場資本同士の統合は容易ではないため、県内に複数の運営会社が残る可能性も高く、異なる運営会社同士での競合や、ホンダやマツダなどの他メーカーとの競合は引き続き可能だと思われます。
東京地区ではトヨタモビリティ東京が誕生
実は、9割が地場資本のトヨタ販売網において、東京地区(多摩エリアを除く)は唯一トヨタ100%子会社=トヨタ直営店が4販社を運営しているエリアです。
これは過去の都内販社立ち上げ時に、都内の有力地場資本が日産に取られたために、トヨタ自ら直営で展開せざるを得なかった歴史的背景もあるのですが…
東京エリアでは、トヨタ東京販売ホールディングス(旧トヨタアドミニスタ)と呼ばれる会社が、東京トヨタ・東京トヨペット・トヨタ東京カローラ・ネッツトヨタ東京の4チャネルを運営してきました。このため、地方のような販売チャネルごとに運営会社が異なるという問題がなく、2019年4月に都内の4チャネルはトヨタモビリティ東京として統合されました(多摩地区ではネッツトヨタ多摩が地場資本として残っていますが、全車種併売はトヨタモビリティ東京に合わせて実施)。※正確にはトヨタ販売ホールディングスは西東京カローラも含めた5販社を子会社として傘下に収めていましたが、2018年9月に西東京カローラは地場資本のネッツトヨタ多摩に譲渡され、残りの4販社をトヨタモビリティに統合。
資本問題がなくマーケットも大きい東京地区において、先行してチャネル統合をすることで、4チャネルの車種を合同で販売する店舗づくりやカーシェアリング対応なども積極的に展開したいという考えが、トヨタにはあるようです。
また、統合によって整備工場や間接事務部門などの効率化を進め、中古車在庫の融通なども図っていく方針だと言います。
トヨタモビリティ東京は2019年4月に誕生しており、すでに一部の店舗では看板も赤とグレーを基調にした新しい看板に代わっています。現在のところ大半の店舗では旧チャネルの看板となっていますが、順次改装・かけ替えが行われていくものと思われます。
レクサスディーラーについて
ここまでトヨタディーラーについて述べてきましたが、レクサスディーラーはどうなるのか気になる方もいるでしょう。
ご存知の方も多いと思いますが、一部の例外を除いて、レクサスディーラーは、基本的にその地域にあるトヨタの4販社のいずれかが運営しています。例えば、レクサス高輪が東京トヨペットが運営していましたし、レクサス目黒は東京トヨタが運営していました(現在は販社統合によりトヨタモビリティ東京が運営)。
結論から言うと、レクサスディーラーは今後もレクサスディーラーとして存在していきます。
これまでトヨタ、トヨペット、カローラ、ネッツ、そしてレクサスと、トヨタ自動車として5系列あったチャネルが、トヨタブランドとレクサスブランドの2チャネルになります。
ただし、運営会社の統合に伴って運営会社は変更される可能性があります。実際、東京地区の旧4系列が運営していたレクサスディーラーは、トヨタモビリティ東京運営に変更になっています。
ちなみに、各レクサスディーラーが、どの販社が運営しているかについては、レクサス公式ウェブサイトの販売店検索のページから調べることができます。
東京エリアのレクサスディーラーについては、次回の記事でご紹介しようと思います。
一口にレクサスディーラーと言っても、各店舗でサービスの内容は異なります。
これは、レクサスディーラーの運営会社はその地域・店舗によって異なり、洗車の有料/無料であったり、ラウンジで提供されるドリンクやお菓子、成約特典、納車式、車検/整備基準などのサービスはそれぞれの販売会社が決めているためです。逆に、運営会社が同じであれば、異なる店舗であっても、提供されるサービスは基本的に同一と考えられます(もちろん店舗独自のサービスなどはあるかもしれませんが、あくまで店舗裁量での範囲になるはずです)。
次回はちょっと特殊な都内のレクサスディーラー事情について記載したいと思います。
愛車の維持費を大幅に削減する方法をご存知ですか?
それは「自動車保険の見直し」です。
車の購入と同時に必須となるのが自動車保険。
位置づけは”任意”保険ですが、レクサスオーナーで加入しないという方はいないと思います。
(個人的にはレクサス車に限らず無保険車はありえないという認識です)
私のレクサスNXが加入した自動車保険の保険料は、495万円の一般条件の車両保険(フルガード)、495万円の車両新価特約、弁護士特約、ロードアシスタンス特約に加入した上で、年間3万7,380円でした。
ちなみに当初見積した東京海上日動の自動車保険は、ほぼ同条件の見積内容で年間7万8,700円でした。
東京海上との差額は何と4万1,320円!
同じ保証内容で保険料を半額以下に抑えることができました。
保険料を4万円も抑えることができたのは、ダイレクト型(別名:通販型/ネット型)の自動車保険を利用したからです。
ダイレクト型がなぜ安いのかはこちらの記事を参照ください。
安く抑えるためには、複数の保険会社の比較が基本。
今回は複数社に一度に見積が依頼できる無料の一括サイトを使って申し込みました。
具体的にはこちら2つのサイトで見積を依頼してみました。
●自動車保険一括見積もりサービス インズウェブ(SBIホールディングス)
●自動車保険一括見積もり依頼サービス 保険スクエアbang!
加入者の年齢や保障内容によって、保険料は異なってきますので、実際に見積を取って確認してみてください。
同じ保証内容でも、30代ではA社が安いのに、40代ではB社が安いといったこともあります。
上の3つのサイトで申し込めば主な保険会社は網羅できます。
自分の場合、安かったのは、チューリヒとセゾン自動車火災(おとなの自動車保険)。
保険料がほぼ同じだったので、最終的にロードサイド特約が充実していたセゾン自動車火災にしました。
一括見積サイトで申し込むと、順次メールで各社見積が届きます。
(早い会社は即時、遅い会社でも数時間後には届きました。)
メールのみで電話での営業も一切ないので安心です。
そのままメールからウェブサイトで保険の申し込みができます。
ウェブサイト上で特約や保証額を必要な内容に調整し、全てネットで完結。
できればお世話になりたくはない一方で非常に重要な自動車保険。少し工夫するだけで大幅な節約が可能です。
万が一に備えた上で、安心・安全なカーライフを楽しみましょう!
自動車保険を節約する詳しい方法は、こちらの記事を参照ください。あわせて読みたいレクサスNXの自動車保険を車両保険付きで3万円台した方法 – LIFE with NX
実際に加入した私の保険見積書も公開しております!
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